JAOR講師を代表して 原 節宏
日本歯科大学附属病院 准教授 / 顎関節症診療センター センター長
メディアやインターネット上では「健康のため・美しくなるため」の様々な情報が氾濫しています。
でも、現場の意見とすれ違っていると感じることがありませんか。
たとえば、ほうれい線。
ほうれい線は笑うときに深くなるので、できるだけ笑わないようにしましょうと解説している記事を目にします。
それは、健康的な対処法といえるでしょうか?
そもそも笑うことで、本当にほうれい線が深く残ってしまうのでしょうか?
実は、そのことを証明した科学的な根拠、すなわち研究ベースの情報は見あたらないのです。
最新の研究では、皮膚に残るしわやみぞは、筋膜が動かないことで深くなっていくことがわかってきました。
そして、笑ったり、さわったりして、筋膜をよく動かすことで、筋膜コラーゲンの質がかわり、皮膚をひっぱって
みぞを深くすることを改善したり、予防することができることがわかってきました。
笑わないように、動かさないようにすることは、しわをもっと深くしてしまうことにつながるのです。
氾濫している情報の多くは、経験則にもとづいた個人の意見や、すでに否定されたり、更新されている研究の古い情報をもとに組み立てられていることが多いのです。
私たちJAOR講師陣は、国内外の専門学会で採り上げられている最新の科学的根拠をもとに、経験豊富な講師陣が、すぐに使える情報を、わかりやすくお伝えしています。
私たちと一緒に、自然と笑顔がこぼれる健康的で美的な生活を患者さんや利用される方々に提供していきましょう。
それでは、当協会の講習の特徴を説明していきましょう。
筋膜(ファシア:fascia)に関する研究は、ここ数年で飛躍的に増加しています。
このことからも医学・歯学の世界での注目度が高さをうかがうことができます。
とはいっても、信頼できるレベルの高い科学的論文数は他の分野に対して圧倒的に少なく、いま現在、メディアやインターネット上で流れている筋膜の情報のほとんどは、過去の古い情報であったり、経験則を中心とした個人的な意見の仮説であることが多く、出典やどのような研究をもとにしているかが明記されている情報はほとんどありません。
本当にその情報が医学・科学的に意見の統一がなされている情報であるかは、研究論文の原文を読み込まなければわからない現状があります。
Fascia(筋膜)をキーワードに科学研究ライブラリーで検索した結果(2015年の資料)。
1970年代にはほとんど発表されなかった筋膜に関する研究論文は1990年代から急増し、現在はようやく1000論文に届こうとしている。
ChaitowL, Findley TW, ShleipR (ed.):Fascia Research 2015 .State of the Art, p1-13, Kiener, Munich,2015.より改変
当協会の講義と実習は、大学病院や医院・歯科医院、専門サロンで培われた現場の情報と、大学研究機関や国際的な専門学会で日々更新される科学的根拠となる研究発表や研究論文の最新情報を得ることができる環境にいる講師陣で実施されます。
このように当協会でお伝えする「筋膜」の分野における知識と技術は、日々、更新される可能性が高く、そういった分野であるからこそ、認定後のフォローアップが重要になってきます。
当協会では、それぞれのレベルにあった認定コースを準備するだけでなく、認定後のフォローアップ研修も充実しています。
※フォローアップ研修の日程等につきましては、セミナーのご案内をご確認ください。
浜島 由美
原 節宏
原 敦子
藤野 典子
永井 あい子
帆足 公人
認定セラピストが行うことのできる施術方法のビデオ教材は協会公式チャンネルから高画質オンデマンド配信をしています。
認定セラピスト以上のレベルのコースを受講された方で、インターネット環境があれば会員限定の動画配信サイトからオンラインでいつでもどこでも閲覧することが可能です。
※講義以外の認定講習の内容に関しては、該当するフォローアップ研修を受講していただくことが必須となります。